ε-δ論法
- 作者: 和達三樹
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1988/11/08
- メディア: 単行本
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例題 1.6
奇数項が $2 - \dfrac{1}{n}$ , 偶数項が恒等的に $1$ である数列は、収束か発散か。
[解]
$n$ が大きくなるにつれて、奇数項は $2$ に近づく。
一方、偶数項は常に $1$ である。
したがって、 $\varepsilon = \dfrac{1}{2}$ ( $0$ と $1$ の間の任意の数をとる)にとると、どんなに $n$ が大きくなっても、
$\vert a_n - 2 \vert > \dfrac{1}{2}$ となる項(これは偶数番目の項)が存在する。
すなわち、数列は発散する。 $\Box$
つまるところ、収束を判定する問題にはε-δ論法を使うということか。
解き方としては、適当なεを選ぶプロセスが重要のようだ。
数学の問題自体、こういった証明問題が主で、(親切な入門書なら)既に説明済みの定理や公理の適用で解けるはず。
結局、定理諸々を機械的に暗記するのではなく、その定理が何を表しているか、どんな意味を持っているか、(試験対策的には)どういった問題に適用できるか、といったメタな意味を理解する必要がありそうだ。