アリアナ・ハフィントン「サード・メトリック しなやかにつかみとる持続可能な成功」
アリアナ・ハフィントン「サード・メトリック しなやかにつかみとる持続可能な成功」
- 作者: アリアナ・ハフィントン,服部真琴
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2014/11/20
- メディア: 単行本
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幸福には、既存の基準である「お金」「成功」のほかに、もう一本の基準があるという。それを「サード・メトリック」と呼んでいる。
著者は睡眠や休息を犠牲にハードワークをしていた。
だが、仕事中に倒れてしまったことをきっかけに、内省を経てサード・メトリックを追求するに至った。
サード・メトリックには、以下の4つの柱がある。
- 幸福(Well-Being)
- 知恵(Wisdom)
- 不思議と驚き(Wonder)
- 与えること(Giving)
だいたいのアドバイスは、休息、デジタルデトックス、瞑想、といったところ。
主張に対して、具体例や書籍からの引用が多すぎるきらいがある。
主張だけを追うなら、各章末のまとめだけ読めば良い。
しかし、「モーレツ」な人生と、サード・メトリックに目覚めた人生の両方を体験した著者の言葉には重みがあり、これだけで読む価値がある。
著者の言葉には愛があふれており、休まることのない現代人に手を差し伸べてくれているかのようだ。
著者の体験を元にしている点において価値があるが、少々事例紹介が多すぎてこの本自体が砂金探しになりかけているのが残念。
この著者ならもっとシンプルにまとめられるはず。ほんとここだけ残念。
☆3つです。決して悪くない。綺麗にまとまっていれば4+αだった。
引用
- ストレスを生活の一部にしてしまうのは、成功した人生という幻想を追いかけるのに忙しすぎて、自分を大切にする時間がないせいでもある。
- 高い能力を持つ母親の職場復帰を望むなら、毎日出勤してビデオ会議に出席する働き方ではだめだ。やるべき仕事を与え、いつまでに終わらせればいいのかだけを伝えればいい( 50)」
- ストレスになるのはたいてい、とてもささやかで全然重要ではない何かだ。
- ストレスに対する最大の武器は、別の考え方をする能力だ( 74)。 ウィリアム・ジェイムズ
- 重大な危機が起きれば、その寸前まで重大だと思っていた小さなものごとは、いとも簡単に消え失せる。本当に大切なものが突然明らかになり、どうでもいい不安や些末な心配事は消えてなくなる。永遠だと思い込んでいた多くのことが永遠ではないと知り、あって当たり前と思っていた多くのものごとの価値を悟る。
- そして毎日、世界はあなたの手をつかみ、あなたを引きずり回してこう叫ぶ。「これは重要だ! これも! これも! これを心配しなければならない! これも! これも!」 そのたびにできることがある。手を引き抜き、その手を胸に当てて言おう。「いいえ、大切なのはこれだ」と( 76)。 イアン・トーマス
- 頭の中で言い聞かせるんだけじゃなくて、胸に手を当てるという実際の行動を伴うのが良いよね
- 自分の世界が「高速回転している」と感じるときに瞑想をすると、とても心が落ち着くと語っている。
- あらゆるものに忍耐を、何より自分自身に忍耐を持ちなさい。自分の欠点を考えて勇気を失うのでなく、欠点を直すことにただちに取りかかりなさい。毎日、新たな気持ちでその努力を始めなさい( 151)。 フランシスコ・サレジオ