another world

それなりに大きな街に住んでいる。 終電での帰りになってしまったのだが、おなかがすいてしまったので、24時間営業のファーストフード店に寄った。

そこは異様な光景だった。

屍、屍、屍。

みんな、テーブルに突っ伏して寝ている。食事をしている人などいない。 老若男女、さまざまな人びとが、休息をとっていた。 そうか、それもそうか…。ここは、終電をなくした人の最後の居場所なんだ。

この街に住んで長くなるが、初めて知った。盲点だった。 自分の知っている世界はまだまだ狭い、そう感じた。

よどんだ空気のなかで食事をするのは不快だったが、先人にとっても、この時間に食事をされるのは不快であっただろう。 食べ物を流し込み、逃げるように立ち去った。 味はよくわからなかった。

済んだ外の空気に癒された。人通りの少ない道を選んで歩いた。